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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

趣味趣向、国籍・人種・宗教・主義に関係なく、全人類共通のもの・・・「○○」に働きかける!

 日本語で「気持ち」とか「気分」といわれるものを、身体内空間という微細粒子の集合場に起こる波紋としてとらえる・・・そういう革新を自己認識に対してもたらせば、心身に様々な流体的変化を引き起こすことが、意のままにできるようになる。これがヒーリング・アーツの基礎原理だ。

 ヒーリング・タッチ、ヒーリング・バランス、ヒーリング・ストレッチ、ヒーリング・サウンドなど、様々な<道>がヒーリング・アーツにはある。道とは、術[わざ]の体系であり、探究者が歩むプロセスであり、生きることそのものにほかならない。

 道を通じて、私たちは活気を与えられ、叡知を身につけ、より健康でトータル(全体的)になり、新たな力を得る。そして、道は外側の世界のどこかではなく、私たち1人1人の内面にある。

ヒーリング・ディスコース『ヒーリング・アーツの世界 第2回 いのちの術[わざ]のマンダラ』(文/高木一行)より抜粋

 

 ヒーリング・アーツとは何なのか? そもそも、ヒーリング・アーツという体系が膨大であり、それを一言で表すのはとても難しいです。
 私たち一人一人によって新たな価値を発見されるもの・・・それがヒーリング・アーツではないでしょうか。ダイアモンドの原石のように、磨けば磨くほど輝きを増してゆきます。

 私たちは「これが好き。あれが好き。これは嫌い。あれは嫌い・・・」と、人それぞれ色々な好み、嗜好、趣味、習慣があります。
 こうした個人の趣味趣向に関わらず、どんな人にも共通するものといえば、私たちの「身体」そのものではないでしょうか。
 何をするにしても・・・話をする、スマホをみる、食事をする、運動する、旅行する、眠る・・・すべての行為は「身体」を通じてなされます。
 絵を描くには目や手を使いますし、ゲームをする時だって、目でみて、耳で聴き、手を使って行なうのですから・・・。

 その身体に働きかけ、運動機能を向上させることが、ヒーリング・アーツの基礎的な効能です。
 例えば、手で細かい作業をしたり、素早く指や手を動かす場合、手が硬く強張っていると、思うように動かすことができません。
 手が柔らかさを保ったまま、思い通りに動かせるようになれば、作業効率が格段にアップします。

 実際に、私自身も楽器演奏を続けてきて、20代前半の頃よりも手指が確実に柔らかく、よく動くようになっているのを実感しています。
 小学生くらいまでは、手がよく動いていて、手の硬さを感じたことがなかったのですが、中学生くらいから手にこわばりを感じるようになり、幼い頃よりも手が硬くなっているのを感じていました。
 それがその後もずっと続いたのですが、ヒーリング・アーツを修するようになってから、手や指がフワフワに柔らかくなり、それと同時に楽器演奏の際に感じていた硬さ、鈍さがなくなってゆくのを実感しています。歳を重ねてもなお、深まりゆく内面的な柔らかさを養っていけるのは、大変ありがたいことです。
「手を使う」のは楽器だけでなく、スポーツ、料理、事務作業・・・ほとんどあらゆる行為に共通しています。

 

 ヒーリング・アーツの一例を、以下にごく簡潔に述べてみよう。体を動かすことを差しはさみながら書いていく。

 まず、両手をうやうやしくそっと合わせ、合掌の形を取る。そして、かしわ手の音を四囲に響かせる。弱々しいかしわ手では何の効果もない。鋭さの中にも円みのある音を発生させる。それがポイントだ。
 それから、手を軟らかくしなやかに振っていく。
 この、「手を振る」という「行為そのもの」を、粒子的に体認するなら、それをふわりと粒子状にほどくことができる。つまり、塊としての手を振っているのでなく、かしわ手によって活性化された手の粒子感覚(しびれ)を、自分は今振っているのだと、自己認識を改めてみる。
 するとどうなるか?
 より柔らかくなる。より円(まろ)やかに滑らかになる。より軽やかになる。・・・ほどける、とそれをいう。
「動き」がそうなるのではない。
「動いている自分」そのものが、瞬時にほどけ和らぐのだ。行為の器が大きくなる、という言い方もできるだろう。手を振るといったシンプルな動作をほどくことから始め、段階を追って修練を進めつつ、徐々に日常生活の様々な場面へと応用していく。

 やがて、思いがけないものまでほどく能力が身についてくる。
 怒り、ねたみ、そねみ、痛み、憎しみ、不安、悲しみ、恐怖・・・・・。そういったものを生理・心理の両面でほどくことが、実際に可能となってくる。
 例えば、不安につきまとわれた時、「ほどきの法」を修する・・・と、頭や胸、みぞおちの奥で感じる不快なモヤモヤやかたまりが、ふわりと微細粒子へと解体され、サラリと消え失せてしまう。
 自分という存在感に細かい穴がたくさん空[あ]き、風通しがよくなる感じ。
 行為のさ中においても、終始リラックスして寛いでいる(動中の静)。
 動きのアルファ(始点)からオメガ(終点)まで、無数の微細な隙間が生じる。あたかも引っ張り伸ばしたゴム紐全体が、次の瞬間、無数の超微細粒子に分解されるかのように。
 こういう状態が、ヒーリング・アーツで「ほどけ」と呼ばれるものだ。ヒーリング・アーツには、ほどけを呼び招くためのいろいろなやり方、練修法がある。いずれもシンプルでありながら、巧妙かつ鮮烈なものばかりだ。

 

 ヒーリング・タッチの基礎メソッド、「手ほどき」は、まず合掌し、かしわ手を打つところから始まりますが、これは単なる形式ではなくて、「手を打ち合わせることによって生じるジンジンした「しびれ」を活用し、「粒子感覚」を感じるための大事なプロセスです。
 ヒーリング・タッチをはじめとするすべてのメソッドにおいて、一つ一つの行為が「身体感覚を活性化する(意識化する)」ために必要なフォーミュラ(=公式)になっています。
 フォーミュラの実践によって拓[ひら]かれる新たな身体感覚について、「こうなる」「ああなる」と人から教えられただけでは意味がありません。自分自身で実感してこそ、本当に「わかった」ことになります。
 究極のいやしを求める人々にとって、ヒーリング・アーツは無限の可能性を開く鍵になっていると、私は思っています。

 

神奈川樂会では、ヒーリング・アーツの基礎を学べます!

ヒーリング・アーツ基礎講座 〜「ストレス・マネージメント」〜
https://healing-network.or.jp/events/tanoshi190224/

 

広島では、女神塾の新企画、<ライツェルテラピー実践会>を開催します(女性限定)!

女神塾プロデュース ヘルス&ビューティーケア  身体の中から美しくなる! 〜ライツェルテラピー実践会〜
https://healing-network.or.jp/events/megami-juku20190310/

 

 

Healing Photograph 撮影/高木一行『梅の香のエクスタシー』より