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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

ヒーリング・サウンド(第2回) 〜音感とは、傾聴力!〜

 ところで「音感」とは、一体どのような感覚を指すのだろう? あなたは考えたことがおありだろうか? 「これがそうだ」と、今、直ちにその感覚に自らの意識をチューニングして味わうことができるだろうか?

 まず、片方の耳を指先でそっとつまむ。そして、つまんだ各指をそれぞれ意識化し、両者を同時に、均等に意識する。こうすると、指の間の「空間」として、耳が触覚的に感じられる。その状態を保ちつつ、指を凝集し、そしてレット・オフ――。

 以上のフォーミュラは、耳の音感を一気にレベルアップさせる修法の一例だ。私が説くすべての修法は、皆フォーミュラになっている。1つ1つの言葉の意味を伝授され、そのプロセスに忠実に従えば、生命力の微細粒子的爆発を引き起こすことができる。

 では音楽を聴きつつ、耳に凝集→レット・オフの作用を響き合わせるとどうなるか? 

「オフによる拡散の位相において、音が粒子的になる」
「その粒子と粒子の間の空間が拡がるのを感じる(拡散)」
「立体的な粒子(音)の広がりを、上下左右前後のすべての方向に感じる」

高木一行のヒーリング・ディスコース『たまふり 第6回 ヒーリング・サウンド』より抜粋

 

耳の構造 外耳(耳殻)、中耳、内耳のつながり(内部)

 普通は「音感」というと、「絶対音感」など、音楽に関係したことが思い浮かばれるでしょう。音を聞いてドレミがわかるとか、最近は「絶対音程感」という言葉も出てきているようです。

 しかし夫がここで述べている「音感」とは、そのような音楽に関係した狭い枠組みの概念ではありません。

 最近発見したことですが、

「まず、片方の耳を指先でそっとつまむ。そして、つまんだ各指をそれぞれ意識化し、両者を同時に、均等に意識する。こうすると、指の間の「空間」として、耳が触覚的に感じられる。その状態を保ちつつ、指を凝集し、そしてレット・オフ――。」

 上記のフォーミュラを実践すると、「音がよく聴こえるようになる」だけでなく、「話をしている相手が何を言いたいのか、何が聴きたいのかが、自然に理会できるようになる」のです。

 これには私も大変驚きました。

 私が主宰している音楽教室の生徒さんから質問を受けた時、試しに、音感をバージョンアップする上記のフォーミュラを実践しつつ、相手の言葉に耳を傾けてみたのです。

 すると、その生徒さんが知りたいことの核心部分がスーッと自分自身の内面に入ってきて、即座に適切な応答をすることができました。

「ええっ!? これが音感がよくなるってことなんだ!!!!」と、内心びっくり仰天しつつ、レッスンを進めていました。

内耳の中に収まっている不思議な形の蝸牛骨。この骨は、音を聴くだけでなく、重力に対してまっすぐに立つなど、全身のバランスを取る機能もある。

 このフォーミュラで音感を開き、相手の言葉に耳を傾ける時の感覚はまさに、「傾聴する」という言葉がぴったりでした(「傾聴」の意味は、注意深く、熱心に耳を傾けること。深いレベルで相手を理解(理会)し、気持ちを汲み取り、共感する聴き方)。

 何の先入観も持たず、素直に、相手に対して敬いの気持ちを持ちつつ、静かに耳を傾ける・・・・、実はそういうことが、私たち現代人はできてない! ということがわかったのです。

 聞いているつもりで、実は全然相手の話を聞いておらず、自分の言いたいことだけを互いに言い合っている現象が、顔を合わせて話をしている者同士でも、頻繁に起こっているのではないでしょうか。

 私がこれまで観察したところによると、「相手の話をきちんと聴く」能力がある人ほど、仕事もできる人が多いようです(少し調べてみたら、ビジネスやカウンセリングの世界では「傾聴力」が重要なスキルであるとのこと)。

 まあ普通は、自分のことばかり話して人の話を全然聞かない人よりも、話をよく聴いてくれる、会話のキャッチボールができる人と一緒にいる方が楽しいですよね。

「音感」とは、それほど人の能力や仕事、交友関係、人生に影響を及ぼすだけの大事な能力だったのかと、音楽に携わってきた私ですら気づいておらず、大きな衝撃を受けました。

内耳の中にピタリと収まっている蝸牛骨。人体の精妙なつくりには驚かされる。

「凝集とレット・オフ」や、音感をバージョンアップするフォーミュラ、その他、それらをサポートするヒーリング・メソッドは、私が主宰する極樂の会(ヒーリング・アーツ稽古会 in 広島)や、神奈川樂会など、各地の稽古会で体験することができます。

 次回の極楽の会は、7月21日(土)、大阪・天満橋にて開催予定です!

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 ヒーリング・アーツ、ヒーリング・タッチの基礎(であり奥義)、「凝集とレット・オフ」については、夫のヒーリング・ディスコース『たまふり』や『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』に詳細な解説がありますので、ぜひご参照ください。

 高木一行著『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』
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