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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

ヒーリング・サウンド(第3回) 〜ヒーリング・バランスの妙〜

 ヒーリング・アーツとは、そもそも一体何か?
 どういう術[わざ]を使うのか? 
 それは人生において何の役に立つのか?
 いかなる原理で、「そういうこと」が可能となるのか?
 どうやったら身につけることができるか?
 ・・・・・・これまでも形を変え、表現法を換えて、幾度も繰り返し説いてきた。
 しかし、新しい概念について語り、伝えようとするのであれば、何度も何度も繰り返さねばならない。機械的なリピートではそちらもこちらも退屈なので、さらに言葉を替え、従来とはまた違う角度から、ヒーリング・アーツの知られざる世界に、この新連載では光を当てていく。

高木一行のヒーリング・ディスコース『ヒーリング・アーツの世界 第1回 マナの探求』より抜粋

 

 ヒーリング・アーツが、ありとあらゆる活動の礎として役立つことを、私たちは実感しているのですが、その範囲があまりにも広大無辺なため、一言で「ヒーリング・アーツとはこれだ!」と、説明できないもどかしさがあります。

 そこで今回も私の専門分野である音楽を例にとり、「お役立ち」の一例をご紹介してみます。

 数週間前、私の元に突然、ウッドベースがやってきました!

 写真をご覧の通り、いわゆる「コントラバス」です。

 これは4分の3ベースといって、主にジャズで使われるタイプのものだそうです。

 最近出会ったある方より、「あなたの音楽作品は、ベースラインがとても独創的ですね。ジャズベースを演奏したら、きっと素晴らしいに違いない」との光栄な評価をいただき、「そうかしら?」と思っていたところ、

「私にはもう必要ないので、あとを託す人を探していました。そこへあなたという、まさにうってつけの人に出会えました。私のウッドベースをお持ち帰りになって、家で練習してみてください」

 ・・・・「!?!?!?」・・・・

 あれよあれよという間に、なんと、本当に、音楽スタジオ兼道場の天行院に、写真のウッドベースがやってきたのです。

 これもありがたいご縁と思い、それから毎日、ウッドベースに関しては、まったくの素人である私が、大きな楽器を抱えて練習することになったのです。

 ベースという楽器は、まさに「ベース(基礎)」であって、目立たない、地味な存在と思われがちですが、音楽において大変重要な役割を担っています※。

 ※ジャズの世界では、音楽の骨格を支えるリズムをリードするのは、ドラムではなくベースだと言われているそうです。確かに私も、ジャズを聴いているとそのように感じますし、ジャズ以外の音楽でも、ベースがしっかりしていると、全体がしまって上手く聴こえることがあります。

 みずからベースを演奏してみることで、音楽活動に新たな光を当てられるかもしれないと思い、楽しく練習を続けています。

 さて、そのベース、基礎練習はまずクラシックの基本から入ります。右手に弓を持ち、弦に当てて鳴らしてみると、

「スーッ スーッ・・・・」

 ・・・あれれ? 音が鳴らない!?

 まったく鳴らない時と、何となく上手くいって鳴る時があり、一体、何故なのだろう? と考えた時、ふと、ヒーリング・アーツの一体系である「ヒーリング・バランス」のことが頭をよぎりました。

 1本の弦の、弓が当たっている部分の、上側と下側、それぞれを均等に意識しながら弓をひいてみると・・・

 見事に音が鳴ったのです!

 ウッドベースの場合、「目線」からの意識、つまり、弦と弓が触れ合っている上側だけに意識が偏りがちになります。

 そこをあえて、弓が当たっている部分の弦の下側も意識することで、1本の弦全体に意識が行き渡り、音を鳴らすことができたわけです。

 弦楽器を上手に弾いている人は、無意識的にもこの「弦と弓におけるヒーリング・バランス」がとれている状態なのですが(でなければ、弦は鳴らないでしょう)、素人にはそんなことはわかりません。

 しかし、ヒーリング・バランスという概念、具体的なメソッド(2つ以上の要素を、同時に、均等に意識する)のおかげで、すぐに弦楽器演奏における本質的なところを理会できたのは、大変ありがたいことです。かといって、完全にバランスを取るのは難しく、ある程度の時間をかけて修練を積む必要があるのはいうまでもありませんが・・・。

 ちなみに、「ヒーリング・バランス」は、筋骨矯正術※などにおける「脊柱起立筋への指圧」にも即、応用できます。脊柱起立筋に対し、指圧した部分から上と下の筋肉を1本の弦のようにみたて、上下均等に意識することで、全身の骨格が組み変わるほどの深いヒーリング作用を伝えることができるのです。

※筋骨矯正術[きんこつきょうせいじゅつ]とは、井上仲子が創始した純国産の整体術。数多くの重病・難病患者を救った幻の術と言われています。詳しくは、高木一行のヒーリング・ディスコース『ヒーリング・アーティスト列伝 第1章 通身是手眼 〜井上仲子(筋骨矯正術)〜』をご参照ください。

 

 私の五官の<質>は、普通の人のそれとはちょっと違うかもしれない。地道なトレーニングにより、内的感性を少しずつ開発してきた。
 優れた芸術家たちは例外なく、私が語っているのと同質の超微粒子的感覚を知っているはずだ。武術家、瞑想家、宗教家など、求道的人生を送っている人々の多くも、私が何について話しているか、たちどころにおわかりになると思う。
 それは非常に細やかで、連続的・流動的な波紋の性質を備えている。私の観察によれば、この質感が五官すべての基盤となっている。五官を感じている主体、といえるかもしれない。
 五官を通じ、通常は外へ外へと拡散していく意識の向きを反転させる。そういうことが、ヒーリング・アーツにはできる。・・・すると、私たちの感覚は、春の訪れを迎えた原野に花々が一斉に咲き乱れるように、一気に鮮やかに彩り豊かに、艶[なま]めかしく麗[うら]らしくなる。
 五感そのものが、粒子的に振るえることでそうなる。

 

 弦楽器の響き、ヴァイブレーションは独特で、私が慣れ親しんできた打楽器やオルガン、ピアノとは質の異なる、繊細で深い、より粒子的で細やかな音がします。当分は、ウッドベースの響きを楽しませていただこうと思います♬

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 追記

「ベースラインが独創的」との評価をいただいた作品ですが、YouTubeにアップしている『陽だまりの午後』という歌曲です。どんなベースラインなのか、ぜひ一度、お聴きになってみてくださいね!

 

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 Photo by Mika Leela Takaki @Hiroshima City June, 2018