生命の対等 〜ジャパンドルフィンズデーに寄せて〜

1995年、1頭[ひとり]のイルカが利島周辺に棲みついた。後にココと名づけられたそのイルカは、漁師たちとの交流を徐々に深めてゆき、やがて「利島心[しん]住民」として正式に認められた。もちろん、そこに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった。「イルカなど殺してしまえ」と主張する者も最初の頃は少なくなかったという(実際、ココが生んだ子供は他島の漁師によって惨殺された)。