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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

ゆっくり、柔らかく、粒子的に

◎繊細な感性を開いていくためには、特別な才能も、強靱な体力も、人並みはずれた明晰な頭脳も、まったく必要ない。日常の中の、通常なら完全に無意識的に行なってしまうような単純な動作に意識的に向き合い、より柔らかく、よりゆっくりと、アプローチしていきさえすればよいのだ。
 同じ動作でも、柔らかく(力まずに)、ゆっくり(自分にとって心地よく感じられる最も遅い速度で)、粒子的に(極微の粒子の海に波が起こるかのように)動くことを繰り返しながら、全体のパターンを広い視野から読み取るようにすれば、私が述べていることの意味を体感できるようになってくる。体感とは、文字通り体で感じることを意味する。
◎どんなことであれ、「ゆっくり、柔らかく、粒子的に」検証してみれば、その行為の本質を根源的な波動のレベルで理会し、実行できるようになる。本源における変化は極めて微細なものだが、決定的影響として全体へと波及していく。
◎私たちは通常、あまりにも速く、強く、ブロック状に動きすぎているのだ。それでは、充分感じることができない。当然ながら、感じられなければわからず、わからなければできるようにもならない。

高木一行著『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』より

「ゆっくり、柔らかく、粒子的に」というのが、ヒーリング・アーツの基本になっていますが、簡単そうで意外とおろそかにされがちなのも事実です。

 前回ご紹介した、<蓮華掌 第2段階>でも、「ゆっくり」というのが重要なテーマになっていましたが、これを修得することで、「意識が内向する」という、瞑想の極意を生理的に体感出来ます。

 それでは今回は、前回の<ヒーリング・タッチは音楽的>に出てきた、「オンの音楽」と「オフの音楽」について、ヒーリング・アーツ・トレーナーによる実践報告をご紹介します。

 

※ご報告中にある音楽は、以下になります。

その1 オンの音楽
 
その2 オフの音楽
 
その3  オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2
 
その4  オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」

 

報告1

『ヒーリング・アーツとともに』<ヒーリング・タッチは音楽的>でご紹介いただきました音楽を聴かせていただきました。
「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2」を聴きますと、最初はのんびりと浅瀬を歩いていたら突然、ドボンと深みにはまってしまい、海の中を漂っているような気持ちになりました。
 オンの音楽とオフの音楽で音感や音質が一瞬で切り替わることが不思議でなりません。
「その3」の音楽を聴きながら蓮華掌を実践いたしました。
 オンの音楽に合わせて凝集された掌がオフの音楽で緩み、拡っていくことを感じたのですが、掌が2倍に大きくなっていくような緩み、拡がり方に感じました。
 次に「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」を聴きますと、最初は通常の時間感覚で聴こえていた音楽が突然、呼吸さえも止まってしまうようなゆっくりとした時間感覚に切り替わってしまい、「ゆっくり、柔らかく、粒子的に」というヒーリング・アーツの基本に則った世界で音楽を聴いているような感覚になりました。
 説明では「その3」も「その4」もオフの音楽の時間は同じだということでしたが、その事実が信じられず、何度も聴き比べてしまいました。
 確かに秒数は同じなのですが、同じ時間で奏でられているとはとても思えない不思議な音楽だと思います。
「その4」を聴きながら蓮華掌を実践いたしました。
 オンの音楽で凝集された掌がオフの音楽で緩むことを感じたのですが、「その3」のときのような面積的な拡がりはあまりなく、掌の奥がフワーッと緩み、拡っていくように感じました。
 今回の実践で掌の緩み方も平面と立体の違いがあることが改めて分かり、聴くことと身体感覚が密接に関わっているということがよく分かりました。
(渡邊義文 ヒーリング・ネットワーク関西)

コメント

「報告1」で渡邊さんが書かれているように、緩み方(レット・オフ)には平面と立体の位相があり、蓮華掌が深まってくると、レット・オフの際、掌の中心(掌心)から放射状に外側へ向って広がっていく感覚はむしろ少なくなり、掌心に向ってオフの波が結晶化し、あたかも掌の中に小さな球ができるような感覚へと移行してゆきます。

 先日の面会の時にも夫が、「掌の中に球が出来てくるんだよ」と言っていました。

 ちなみに、「オンの音楽」と「オフの音楽」とは、オンの位相、オフの位相、それぞれをより強調したリズム(表の拍と裏の拍)と、「オン」のメロディーを反転させたことによる鏡の効果で「オフ」を表現しているのであって、オンだけの音楽、オフだけの音楽というのは存在しません。
 オンとオフを音楽で表わすには、上記の音楽以外にも色々な表現方法があり得るのではないかと思っています。

 

報告2

「その1 オンの音楽」と「その2 オフの音楽」を聴き比べた後に「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2」を聴くと、オン1に対してオフ2の長さではありますが、きれいな反転でオン、オフ、オフと、反転していても等しい1が3つ続いている感覚でした。
 それが「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」を聴くと、オフのパートに移ったとたんに時間と感覚がギューッと引き伸ばされて空間も広がり、その中に自分の存在感が吸い込まれるような強い「虚」の感覚が産まれました。
 音楽を聴きながら蓮華掌・第2段階を実践してみたのですが、私が混同していたやり方である「その3~」で行なおうとすると、オンに対して同じだけの量が反転したオフの感覚が2倍の時間続くというシンプルな感覚でした。

 そうして「その4~」で実践すると、オフに切り替わった時に、自分の身体が引き伸ばされると同時に内側に何重にも折りたたまれるような、体が裏返って内側と外側が入れ替わるような次元の違うオフの感覚がありました。
(道上健太郎 ヒーリング・ネットワーク山口/毘沙門会)

 

報告3

『ヒーリング・アーツとともに』<ヒーリング・タッチは音楽的>では、蓮華掌・第2段階を数学的に表現された道上さんのご投稿を美佳先生が音楽的なプログラムとして表現されており、これは凄いことになったと思いながら音楽を聴いてみました。
 オンの音楽を反転させたオフの音楽を聴くと、流れていた時間が巻き戻っていくようなオフの感覚が起こりました。「その3」ではオフが2回繰り返されており、巻き戻ったところからさらに巻き戻る流れが感じられました。しかし平面的な流れの巻き戻しであると感じました。
「その4」ではオフの音楽の始まりと共に、時間がゆっくりとなる感覚が起こりました。
「その3」「その4」の音楽を聴きながら蓮華掌・第2段階を練修してみると、「その4」では「その3」にはない時間感覚の変化及びオフの空間的深まりが体感されました。これは蓮華掌・第2段階を練修して、体感したところの感覚と同じだと感じました。
 本を読んで練修していた際、正確に拍数を数えると、どうしてもレット・オフの感覚に集中できなくなり、拍数に関しては曖昧にして練修しておりましたが、音楽を聴きながら練修することで、この問題が解決したことを喜んでおります。
(東前公幸 ヒーリング・ネットワーク関西)

 

報告4

「その1 オンの音楽」、「その2 オフの音楽」ともに聴くだけで身体が粒子的になり、とても落ち着いた感覚になっていきました。

「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×1」を聴くと、オフの音楽に変わると同時に身体にリラクゼーションがもたらされましたが、身体の内側に深く浸透していくような感覚はありませんでした。

「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×1」を聴くと、オフの音楽に変わると同時に粒子的感覚が身体の内側に浸透していき、深いリラクゼーションがもたらされました。そして曲が終わった後も、しばらくの間身体の内外に沈黙のような静けさが漂い、その感覚はとどまるところを知らないといった状態になりました。

 上記の音楽を聴きながら、曲のテンポに合わせて<蓮華掌・第2段階>を実践してみました。まず曲が流れていることで「凝集」と「レット・オフ」がとても実践しやすいのが感じられました。

「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」を聴きながら実践すると、オフの音楽とともに粒子的感覚が身体の中心に収束していき、音楽が終わった後は時間が静止したような表現しがたい感覚が訪れました。
(平川晋一 神奈川樂会)

 

報告5

「その1 オンの音楽」と「その2 オフの音楽」を聴き比べ、特にリズムのアクセントの変化を感じ取った上で「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2」を聴いてみると、確かにオンが1回、オフが2回繰り返されており、オンが反転されていることがわかりました。
 そして、「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」を聴いてみると、オフの音楽に切り替わった途端、全然違う次元にいきなりポンッと飛ばされてしまったかのような驚きとともに、時間が引き伸ばされてゆっくりとなり、意識が内向していく感覚を味わいました。

 今度は、音楽を聴きつつ「蓮華掌 第2段階」を実践し、まず「その3~」の音楽を聴きながら行なってみると、オンからオフへの切り替えのタイミング、そしてオフを2分割するタイミングは音楽を聴くとわかりやすくできるという印象がありました。
 次に、「その4~」を聴きつつ実践してみると、意識が内向する感覚がその3とは全く異なり、非常に深く、精妙にオフの感覚が浸透し拡がっていき、記事にも書かれていたように、余韻の深さも全く異なっていました。音楽が終わった後も、しばらくオフ感覚が続き、大変粒子的に、滑らかな感覚で「蓮華掌 第2段階」を実践することができ驚いています。

 今日(2月25日)開催した神奈川樂会にて、一般参加者の方にこちらの音楽を聴いていただき、生の感想を伺ってみたのですが、その1~3を聴いた後で「その4~」を聴くと、オフの音楽のところで「リズムが取りにくくなる」とおっしゃっていました。
 そして、「その3~」と「その4~」を聴きつつ「蓮華掌 第2段階」を手合わせをしながら実践し、その差を感じ取っていただいたのですが、明らかに違うことは感じ取っていただいたようです。「その3~」に比べて「その4~」では、私の実感としても、術をかけたことにより一般参加者の方がより粒子的に姿勢が変化していくことが、体感としても、相手を観[み]ていてもはっきりとわかりました。
(今回は「蓮華掌 第2段階」の説明は口頭で簡単に説明して術を受けていただいただけで、実際に一緒に練修するところまではいっておりません)
(佐々木奈緒子 神奈川樂会/女神会)

 

コメント

「その4」でオフの音楽に切り替わった時、「リズムが取りにくくなる」のは、音楽的にはあえてその効果を狙って創ってあるので、当然といえば当然なのです。オフの瞬間に、聴いた人に何の変化も起きないことの方が、むしろ失敗作であるといえるでしょう。
「リズムが取りにくくなる」のは、オンの状態をそのままキープしようとしているからであり、「リズムをキープしよう」とする意図さえも「オフ」にしてしまうと、次元が違うオフの世界へとスムーズにダイヴすることができます。

 

報告6

「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2」を聴くと、これだけでもスーッと強張っていたものが解きほぐされ、ザワ着いていた内面が鎮まるリラクセーション効果は感じられましたが、次に「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」を聴きますと、その緩み、鎮まった感覚の中にさらに幾重もの粒子感覚の精妙な波紋が共鳴し会って深く続いているのが感じ取れました。

 この音楽に合わせて<蓮華掌・第2段階>を行なうと、とても滑らかに意識の深い内向が訪れ、「ヒーリング・タッチは音楽的」の意味をありありと実感できました。音楽を指標に、オフ感覚に乗って自己の裡側を探究するという、とても大きな可能性を示していただけたことに、感謝申し上げます。
(水野幸司  ヒーリング・ネットワーク東海)

 

報告7

 蓮華掌を実践しつつ音楽を聴かせていただきました。
「その3 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(1)×2」では、確かに拍子はとりやすく、分かりやすいのですが内面的に大きな変化はありませんでした。
 それに対し、「その4 オンの音楽(1)×1→オフの音楽(0.5)×2」では、内面の感覚と音楽が響きあい、オフによって生じる波紋がより内向するのが明瞭に感じられました。
 蓮華掌の第2段階を音楽を通じ表現していただいたことで、ヒーリング・アーツが音楽的であることへの理会が深まり、修法と音楽をクロスオーバーすることの新たな可能性を感じました。
(佐々木亮 神奈川樂会)

 

追記

 音楽のテンポを表わす言葉で、「BPM」というものがあります。これは「Beat Per Minute」の略です(医学用語では、心拍数を表わす単位だそうです)。その1〜その3の「オンの音楽」「オフの音楽」は、テンポが「100BPM」(1分間に100回、リズムが刻まれる)となっています。
 その4では、「オンの音楽」の間はテンポが100BPMですが、その後、「オフの音楽」に移行した瞬間から、テンポが「50BPM」になります。1分間に100回刻まれていたテンポが、ちょうど半分の50回になるため、そこで急に速度が倍、遅くなることになります。こうして数字で表した際も、きちんと半分になっているのですから、音楽が数学と共通しているといわれる所以がよくわかります。

 

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 3月25日(日)の極樂の会(@天行院)では、「オンの音楽」と「オフの音楽」を活用してヒーリング・タッチやレット・オフの実践練修を行ないます。

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写真:Healing Photograph スライドショー1−22<音の神殿 パイプオルガン トッカータとフーガニ短調>より。