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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

掌の中心にあるツボ、◎◎で、ストレスを解消する!

◎労宮の「労」は「苦労」とともに「ねぎらい、いたわり」を意味し、古人がこのツボを労宮と名づけたのは、そのポイントがストレスと密接な相関関係にあることを体験的に知っていたからにほかならない。掌の中心に固まりがちとなる力を常に意識化し、それを開放する修法をこまめに行なうことは、ストレス・マネージメント(ストレスのやりくり)という観点からも大切だ。まずは、自分自身を充分にねぎらい、いたわりなさい。そうすれば、人に対しても優しくなれる。

高木一行著『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』より

 

 ヒーリング・タッチの基本メソッド<蓮華掌[れんげしょう]>では、掌の真ん中にある「労宮[ろうきゅう]」というツボに働きかけます。
 通常、ツボに働きかけるというと、押すとか、揉む、鍼を刺すなど、能動的な働きかけが中心となりますが、蓮華掌においては、「オフ(しないこと)」によってツボ本来の働きを取り戻すことに主眼が置かれています。

 人間関係におけるストレスなど、「心労」が蓄積するのが労宮であり、「仕事のストレスのほとんどが人間関係によるもの」とされる現代人のストレス・マネージメントには、労宮のケアがとても大事になってきます。

 今回は、蓮華掌の応用編である「蓮華掌・第3段階」を実践したヒーリング・アーツ・トレーナーのご報告をご紹介します。

 

報告1

 掌の中心である労宮にもう片方の手の親指の指紋の中心をそっと載せて触れ合い、凝集とレット・オフを繰り返すと、労宮を中心とした波紋の反転が全身に伝わるのが感じられるようになっていきます。
 先に労宮が凝集からレット・オフに移った後に遅れて触れ合っている親指の凝集をレット・オフして拡散の波に乗せていくと、呼吸が一気に深く大きく変化し、胸郭が開放されたことが実感できます。
 力を入れたオンのやり方で大きく深く息をするのとは違い、非常に深くゆったりとしたリラックス感やリフレッシュ感の質をもった呼吸となっていました。
 オフの波と共に息が通じてくると、身体に潤いのあるみずみずしさの質感が蘇ってくるのが感じられます。
(道上健太郎 ヒーリング・ネットワーク山口/毘沙門会)

 

報告2

 <蓮華掌・第3段階>を実践させていただきました。
 掌の中心である労宮と親指の腹を触れ合わせ、皮膚面同士が満遍なく直交するように意識しながら凝集とレット・オフを繰り返しました。
 労宮と親指の腹が触れ合っていることで、労宮のくぼみが意識されやすくなり、そのくぼみに沿って凝集と拡散の波紋を感じることができました。
 また、労宮と触れ合わせている親指の腹の皮膚面上にも凝集と拡散の波紋を感じることができました。
 労宮と親指の腹で感じられるそれぞれの波紋を同時に感じるようにすると、凹凸ともいえる正反対の曲面に発生する波紋が同時に起きる感覚が大変不思議で、面白く思いました。
 また、労宮に親指を押し込んでいるわけではないのですが、労宮のくぼみの底に向かって親指の指紋の中心が沈んでいくような感覚もあり、指圧の原型というか原理を体感しているようにも思いました。
 補助練修として片方の手の親指を吸いながら、片方の掌の中心を感じていきますと、親指を吸うたびに労宮が手の中に吸い込まれるように、キュッと締まる感覚を覚えました。
 何度も指吸いを繰り返しながら労宮の感覚を感じていきますと、労宮だけでなく全身もキュッと締まることが感じられました。
 その全身の感覚も意識しながら、指吸いを行い、指を吸うことをレット・オフしますと労宮から発生した拡散の波紋が全身にも伝わっていくことがはっきりと感じられました。
(渡邊義文 ヒーリング・ネットワーク関西)

 

報告3

 掌芯と親指の腹とで触れ合う際、触れ合った場所が直交するように意識しました。労宮に親指の腹側で触れ合い、凝集させ、労宮側をレット・オフしたあと、指の腹側を凝集したままでいると反対方向に引っ張られるような感覚が生じました。そのあと、指の腹側の凝集をレット・オフすると、指の腹側の感覚が掌側へと溶けていく、あるいは労宮がゆるみ溶けるような、得も言われぬ感覚が感じられました。そしてその感覚とともに、自ずと胸郭が横方向へと開かれていくとともに息がゆっくりと吸い込まれてくるのが感じられました。それが感じられると、これまで胸郭をかたくしていたということに気がつかされました。
(帆足茂久 ヒーリング・ネットワーク九州)

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『ヒーリング・アーツとともに 〜あらゆることに熟達する鍵とは?〜』を読まれた極樂の会(ヒーリング・アーツ稽古会)の参加者の方より、楽器演奏において、わざと下手になるとは、具体的にどういうことなのか? というご質問を受けました。
 何かを演奏しながら、手にギューッと力を入れてみてください。そうすると、手が固くなり、動きにくくなります。例えばピアノであれば当然、手が動かないと下手になります。
 ピアノに限らず、打楽器、管楽器、弦楽器、ほぼどんな楽器でも、手を使うので、手を固くして動かしにくくすれば、下手になります。
 手を使わない歌ですらも、手を固くすれば全身にもその作用が及んで固くなり、声が出にくくなるものです。

「わざと下手になる」という意図をオフにするとは、「手を固くしよう」とする意図をオフにすることであり、オフの作用を受け入れれば受け入れるほど、「下手さ」がオフになるため、おのずから「上手く」なってしまうのです。

「熟達」が起こる時には、必ず「レット・オフ」の作用が働いていると夫が書いていましたが、オフが起こった時には、体のどこかに入っていた余分な力が抜けるので、動きの伝達媒体としての身体機能がアップし、何ごとにおいても熟達するわけです。

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 夫・高木一行は現在、情報処理の資格を取るための職業訓練についています。これまで縁のなかった類いの知識や技術を勉強をすることで、人間としての器が広がり、脳の機能が拡大して、ヒーリング・アーツと、その発展体系である「龍宮道[りゅうぐうどう]」のわざも驚くべき深化を遂げているそうです。
 出所後の夫は、新しい活動に入ってゆくこととなりますが、夫を支援したいという方々がここ最近、私たちの周りに集まってきてくださり、服役の期間もだんだんと満了に近づいているので、出所後の準備も兼ねて、<高木一行支援会>を発足することとなりました。この支援会では主に、藝術家としての夫の活動支援を目的としています。
 かつて裁判において職業を問われた時、「広義の意味での藝術家です」と答えた夫に対し、それをあざ笑うかのように書類上では「無職」と断定されたのですが、実際、夫はたくさんの作品(写真、カリグラフィー、書など)を産み出してきました。
 もちろん、藝術家というのは夫のごく一面に過ぎず、「◎◎家」という枠にとらわれない自由奔放なあり方、生き方を貫いています。
 しかし、夫の藝術作品には、確かに観る者を元気にする無限のパワーが込められており、実際、私自身が観るたびに「おお! スゴイ!」と感・動しているのですから、夫の藝術活動を支援したくなるのも当然といえるのです。
 <高木一行支援会>の活動については、支援者募集も含め、随時、お知らせしてゆきますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします!

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写真:Healing Photograph スライドショー5−5『花精15』より

 

『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』は、<Megami Marche[女神マルシェ]>のウェブサイトでご購入いただけます。