Healing Essayヒーリング・アーツとともに
光ならざる光の海 〜観の目ご報告 Vol.2〜
◎泥(凝集)から生え出た蓮が空中で開花するように、蓮華掌がふわりと視線の裡で花開く時、「見ること」というひと塊の体験はいったん粉々の微粒子に粉砕され、それらの粒子は透明な光ならざる光の海に溶け込んで、「観ること」として再統合される。視線は、これまでとは比較にならぬほどの軟らかさ、滑らかさ、軽やかさ、流動感覚、清らかさ、素直さを備えるようになる。これを「観の目」という。熟達すれば、視線を流れるように舞わせ、他者と視線で触れ合い、響き合わせることが、現実にできるようになる。
高木一行著『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』より
前回に引き続き、「観の目」を養う<メドゥーサ修法>の実践報告です。
報告1
メドゥーサ修法でじっくり目の緊張をほどくことに取り組んでいるうちに、普段視覚情報を求めて気づかぬうちにさまよい出てしまっていた自分の存在感というものが皮膚の内側に納まり、それを実感して初めて「ああ、見失っていたんだ」ということに気づき、驚かされることとなりました。そして掌を手始めに全身の各部と目の対応関係に注意しながら全身を緩めていくほどに、意識は腰腹の間に収まり、精神のざわつきが鎮まっていくのが感じられました。
その状態でスライドショー『桜浄土』を観照しますと、厳しい季節を耐え忍んだがゆえに味わえる生の歓喜がこの世のものとは思えない質感とともに目と耳から裡へと流れ込んできて、浄土をこの世に顕現せしめるのは自分の在り方如何であり、ヒーリング・アーツはそれを可能にするかけがえのない指標であることを再認識しました。
(水野幸司 ヒーリング・ネットワーク東海)
報告2
メドゥーサ修法を実践しつつスライドショー『桜浄土』を観照させていただきました。
蓮華掌の凝集で視線の凝集を感じつつ、視線のその圧力を保ったまま蓮華掌をレット・オフすると、掌が緩むのと連動して眉間の奥が緩み始め、視界がサーッと開けていきます。観照しているうちに掌の粒子感覚もどんどん細やかになってきて、より蓮華掌の効果がわかりやすくなってくるのを感じました。
レット・オフにより頭が奥の方から開放され、意識が目や顔面の内側にクルクルと巻き戻されるように収まってくるようになると、『桜浄土』の奥深い美しさが迫ってくるようになりました。
プラチナのような煌めきや儚さを内包した美しさが多層的に拡がり、繊細な桜の無数の花びらが立体的かつ緻密に舞い踊るのは圧巻で、全身にその波紋のさざ波が駆け巡り、声を上げずにはいられません。天上の世界のような美しさが、帰神ミュージックとクロスオーバーされて心身に響き、身も心も振るえ、波紋の藝術だと身にしみて感じました。音楽が内側に響き渡って息も深くなり、背中もありありと息づいているのを感じ、深く禊祓われて瞑想的な時間を過ごさせていただきました。
(佐々木奈緒子 神奈川樂会/女神会)
報告3
ここのところ、仕事で目を酷使している感があり、メドゥーサ修法をじっくり行ないました。
何度も実践していくうち、視線が解けて視界がどこまでも拡がっていき、同時に目が相当固くなっていたことに気づかされました。
視点を定めて蓮華掌をレット・オフすると、豊かさそのもののと言えるような、賑やかであると同時に静謐な感覚が体の内側満ちてくるのを感じます。
さらにスライドショー『桜浄土』を観照していくと、スライドが切り替わるごとに、立体的な光の粒子が乱舞する光景が展開され、その美しさに息を呑みました。
特に後半には、桜の輝きと楽曲の鈴の音が光のシャワーのように降り注ぎ、全身が洗われていくように感じました。
(佐々木亮 神奈川樂会)
報告4
絵画の1点を粒子的に見つめながら片方の掌で蓮華掌を造り、掌を中心に凝集していきました。すると見つめている対象の絵画の一点と目との間で反発し合うような力が働きました。そして今度は凝集した掌をレット・オフしました。すると、対象の絵画が緩んだように広がりを持ち、同時に観ている自分の身体にまで絵画の緩み広がる作用が及ぼされ、胸や腕、頭が粒子的に解されていきました。
そしてそのようにある程度身体が開かれた状態でスライドショー『桜浄土』を観照しました。初めのうちは目が緩み開かれていくと同時に、目に蓄積されたこわばりやブロックが浮き彫りになって、目にヒリヒリとした痛みが生じてきました。そのような目の浄化作用がある程度行なわれた後は、今までよりもスライドショーの映像が鮮明に観え出して、桜を通じて生命の流れ、紋様が観え、感じられるようになりました。音楽と映像が織り成す総合芸術をたっぷりと身に受けさせていただいた感じで、スライドショー『桜浄土』は他に類例を見ない作品であると思います。
(平川晋一 神奈川樂会)
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ここ最近、私が出演しているライブで、「観の目」で撮影した写真をスライドショーにし、それに生演奏の音楽を付ける試みを行なっています。
前衛的な音楽家たちは、音楽単体だけでなく、映像もクロスオーバーすることで、音楽の面白さがより一層強調される現象を活用し、YouTubeなどで発表しているようです。
私自身も、映像(スライドショー)を観照(鑑賞)することで、大きなインスピレーションを受け、それによって音楽の創作意欲が触発されることが多々あります。
最近では、夫の勧めで読んでいる金子みすゞの詩の中から、『花のたましい』に音楽をつけて、それと花の写真を組み合わせたスライドショー作品を創作しました。
また、毎年恒例となっている近所の公園の桜を今年も撮影し、それに新しい音楽をつける試みも進行中です。
4月27日(金)には、リィラ音楽教室主催(NPO法人ヒーリング・ネットワーク後援)のアフタヌーン・コンサート Vol.2 ”Blooming”で、上記の『花のたましい』と、新曲『花精 〜花のコーラス〜』を、映像付き生演奏で上演します。
花をテーマとする今回のコンサートは、音楽だけでなく、映像も盛りだくさんで、とても楽しいイベントとなりそうです♪
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次回、4月29日(日)の極樂の会は、あらゆることを「学ぶ」「修得する」ための基礎となる、「器」としての体と心を練るためのヒーリング・メソッドを核として進められます。
お昼の12時からスタートします♪
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Photograph by Mika Takaki @Kannnondai, Hiroshima
『奇跡の手 ヒーリング・タッチ』は、<Megami Marche[女神マルシェ]>のウェブサイトでご購入いただけます。