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Healing Essayヒーリング・アーツとともに

いやしのアート 〜囚われからの解放〜

 ヒーリング・アーツを真剣に学び、身につけたいと思っている人には、岡本太郎を読むことを強くお勧めする。私がどういう意味で「アート(アーツ)」という言葉を用いているか、それを知ることにより、ヒーリング・アーツへの理会が飛躍的に深まるはずだ。
 私自身は、彼の一連の著作を(古書も含め入手し得る限りすべて)2度以上熟読し、絵画や彫刻作品の数々とも直接出会ってきた。
 (広義の)「ヒーリング」を語った古今東西の人々の言葉のうち、岡本太郎のそれほど直裁に心身に響いてくるものを、私は他に知らない。
 生きた時代と土地(国)の多くを共有しているから、言葉にまったく距離感が感じられない。岡本太郎を、ダイレクトに読める世代である私たちは、大変な幸福者[こうふくしゃ]といえる。

『ヒーリング随感2 第1回 いやしのアート』(文/高木一行)より抜粋

 

 私(高木美佳)も大好きな岡本太郎の著作は、アーティストを目指すすべての人々にとり、新たな観点からアート(アーツ)の何たるかを学ぶことができる素晴らしい作品ばかりです。

 藝術とは、他のどこにもない、誰も知らない、まったく新しいものを生み出す創造行為であり、その創造者となることが、どれほどのヒーリング感覚をもたらすのか、岡本太郎の著作を読むとビシビシ伝わってきます。

「アーティスト=創造者」となるための基盤づくりを、ヒーリング・アーツは可能とします。
 新しいものを生み出すためには、社会レベルで刷り込まれた先入観や既成概念から自由であることが求められます。
 私たちが自分でも気づかない微細なレベルで「囚われている」状態であることを、ヒーリング・アーツの実践により気づくことができます。

 心理的な「囚われ」は、実は体のブロック(こわばり)と対応しています。ヒーリング・アーツは、まず体という物理的なものに働きかけます。レット・オフによって体のこわばりを解放してゆくにしたがい、それと対応した心理的囚われからも自ずから解放されてゆくのです。
 ひとつひとつ、囚われから解放されてゆくたびに、体は爽快に、元気になり、それと同時進行で精神も明るく、穏やかに、伸びやかになっていくのです!

 

Healing Photograph 『花精』 撮影/高木美佳
夫の実家に咲く枝垂桜。毎年見事な花を咲かせる。